「IKEAが好き」と、まるで買い物を奨励するような発言をしたミニマリスト蘭子です。
私が、IKEAが好きなのは、おしゃれなインテリアにすることでも、小さい日用品や雑貨を買うことでもありません。
理由は、日本のセールスマーケティングに踊らされずに、本当に自分がしたい生活、シンプルで上質な生活にするためのツールを売っているから・・・しかも低価格で、ということです。
皆さんは家を買う時、リフォームする時、特にキッチンを新しくする時は、どのくらいの予算を考えていますか?
今日は、私が理想のシンプルライフを実現するために買った大物ツール、システムキッチンについてお話しいたします。
私が実家に引っ越したのは8年ほど前になります。
その時、実家のキッチンもバスルームも、荒れ放題でした。
妹がこの家のメンテナンスに手を焼いていたのも頷けます。
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特にキッチンは、昭和時代の造りつけの台所、動かしようもない代物で下の土間に水漏れするのではないかとヒヤヒヤしながら使っていたようです。
家は自分たちで造り上げていくもの?
IKEAが最初に日本に上陸したのは、1974年(昭和49年)ですが、その当時の日本の一般家庭の購買環境とあまりに違う販売形態だったために、1986年(昭和61年)に一旦撤退しています。
現在でもそうですが、日本は、自分で家や庭を造るという感覚が薄いように感じます。
家なら工務店や建具屋さん、設備屋さんなどにすべてお願いして作ってもらうというのが一般的な考え方です。
一方、夫の国でもそうですが、海外では、家は土台だけ専門家に作ってもらって、あとは自分たちで設置して作り上げていくものという考え方です。
そのため、新しく買った家には、キッチン、洗面台、トイレなどが何も付いていない状態が多い。
あとから、自分たちで気に入ったものを買ってきて設置するというのが普通です。
なので、IKEAのようにキッチンや洗面台だけ売っているものを買ってきて、好きなようにセッティングするというカルチャーが普通なのです。
当然、自分たちでセルフビルドするのですから、工賃も何も不要、節約できます。
1日のうち、多くの時間を過ごすキッチンですし、どうしても自分好みのスペースにしたい。
かといって、予算がたくさんあるわけではないし・・・。
設計事務所で設計し見積もってもらった時は、キッチン回りだけで120万円、欲をいえば200万くらいはかかってしまいます。
そんな予算は、どこをどうひねっても出てきません。
そこで、考えたのが、セルフビルドというもの。
友人宅で聞いたように、ワークトップを買ってきて作れるのでは?と考えたのです。
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キッチンを自分たちの手で造るという暮らしの楽しみ方
もともとの台所(あえてキッチンではなく台所)はすべてステンレス張り、シンクもすべてステンレスでした。
こういったメタリックな素材が好きな方ならよいのでしょうが、素材の性質上、どうしても寒々しい印象でした。
私の好みですが、キッチンパネルにするのは絶対に避けたかったので、200mm角の大きいタイルを通販で購入しキッチンを組み立て後、貼りました。
なんというか、ヨーロッパの田舎風な感じ?にしたかったのです。
本来なら壁や床を整えてからキッチンを設置するのが普通なのですが、順序が後先になったのには理由があって、住み始める日程が決まっていたためです。
ともかくキッチンの組み立てが最優先というスケジュールになってしまったのです。
住み始めれば、否応なしに食事の支度や水仕事が始まります。
その前に、壁はともかくキッチンだけは作らないと!というわけで、寝ても覚めてもIKEAのHPを見ては、キッチンやらバスルームやらをチェック。
夫と二人、平日の夜にIKEAに通い詰めました。
IKEAのHPにはプランニングツールというものがあって、パソコン上でキッチンを3Dでプランニングできるサービスがあります。
すでにある窓や壁、ドアの位置などを加えた後に、商品を選びながら配置して詳細なフロアプランを自分で作ることができるのです。
設計士さんにお願いすれば、その分費用もかかりますし、自分の希望通りでなかった場合、リクエストしづらいこともあるかもしれません。
その点、自分が考えるだけなので気楽に図面を作ることができます。
水道栓やコンロと換気扇の位置、コンセントの場所を確認しながら、キッチン棚を組み合わせて一番使いやすいレイアウトにします。
出来上がったら、IKEAのサーバー上にのせます。
その後、実際に店舗に行って、そのプランにアクセスしながらアドバイスを受けることができるのです。
工務店や設備屋さんに頼めば、設計の手間、商品を選ぶ手間、打ち合わせの手間、そして商品自体もキッチンメーカーの既成品から選ぶために、すべての予算が高くなりがちです。
ある意味、自分の手間ではありますが、暮らしの楽しみって、作り上げる楽しみもあるのではないでしょうか。
「言うは易く行うは難し」のキッチン造りだったけれど。
最終的にキッチンはIKEA製で、組立はDIYで。
キッチンの組み立てを専門の方にお願いするという手(オプションで13万円かかります)もあったのですが、思い切ってすべて自分たちでやってみよう(予算もないので)と、なりました。
配管はもともとあった水道管をそのまま活かし、水栓類は通販で別途購入し取付けました。
水道管の下にシステムキッチンを組み立てながら配置をし、ワークトップに穴を開け、IHコンロとシンクをセットすれば出来上がりです。
このシステムキッチン、簡単にご説明すると、いわゆる組み立て家具のユニットボックスを並べ、その上に1枚板のワークトップをのせるというもの。
扉は好きな色や素材のものを選べばよいのです。
コンロもシンクも、好きなサイズ、仕様のものを買って、ワークトップに穴を開けて、そこに嵌め込めば完成!
と、私は簡単に思っていましたが、このワークトップに穴を開ける作業が曲者でした。
私と同じく貧乏性の夫は、ワークトップに、電動ノコギリで穴を開けることにビビりまくり(笑)。
失敗したらどうしようと、何日もワークトップの前で思案していました。
彼は勝手にワークトップは10万円くらいするんじゃないかと勘違いしていたようです。
(注;そんなに高い板ではありません)
最終的に、イケアで購入した分は25万円強、(しかもセールだったので、IHコンロ付でした)配送や諸費用いれても30万弱だったと記憶しています。
壁はコンクリートむき出しのままでしたが、とにかくキッチンを設置完了。
現在は壁もちゃんとできていますよ。
自分で作ったり、修理したりすることを楽しめない人には、IKEAは向かないと思います。
でもDIY好きの方には絶対おすすめです。
ちなみに私は当時フルタイムのOL、旦那も大学講師で大工や工事担当ではありませんでしたが、この仕事はとても楽しんでできました。
IKEAのキッチンをセルフで組み立てて・・・ということには賛否両論あるかと思います。
なんといっても専門家ではないのですから、間違ったら一大事!と考えがちです。
特に日本人の几帳面な性格、一流に拘る方には不評だと思います。
でも、私的には、今のところ、まったく不具合はありません。
すでに8年経ちますが夫婦で組み立てたキッチンなのでとても愛着があるのです。
さて、このシステムキッチン、収納力があるはずなのですが、現在ワークトップに出しっぱなしのキッチン道具が幾つか気になります。
集中断捨離の3日目は、本格的なキッチンエリアの断捨離に入りたいと思います。