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ずいぶん前に、金さん銀さんという100歳の双子のお婆ちゃまが話題になりましたが、最近は、102歳のフォトジャーナリスト笹本恒子さん、103歳のアーティスト篠田桃紅さん・・・といった100歳越えのシニアが、続々とメディアに取り上げられています。
この方達は、金さん銀さんどころではなく、まだ現役でお仕事をされている方ということ。
シンプルにパワフルに生きている「こんな100歳になりたい!」、蘭子はこんな女性に憧れています。
おしゃれは頭でするものよ!
102歳、笹本恒子(ささもと・つねこ)さんは、現役のフォトジャーナリスト。
数年前にも確か、女性雑誌で特集ページに出ていらっしゃった方と記憶しています。
以下、簡単な略歴を書きます。
笹本さんが、初めてカメラを手にしたのは、26歳の時、1940年代。
男性優位な社会の中で、日本初の女性報道写真家として活躍し、そのキャリアは70年以上になります。
戦後は、1950年に初の個展「生きたニュールック写真展」を開催。
進駐軍の将校夫人や外交官夫人などの外国人をモデルにしたファッションをテーマにした作品約100点が並ぶコレクションを発表しました。
笹本さんは、「洋服は人間が着てはじめて生きる」というコンセプトを確立していきました。
その後、一時仕事を中断するものの、71歳で再スタート。
「明治生まれの女性たちの力強い生き様を写真に収めたい」という強い想いから、作家宇野千代さん、絵描きの三岸節子さん、料理研究家の阿部なをさんらを撮影しました。
現在、102歳。
2017年、ドキュメンタリー映画「笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ」が東京国際映画祭で特別上映されるにあたり、主役の一人、笹本さんは注目の的となっています。
年齢を言わないのは、ずっと現役でいるための自分との約束
笹本さんは、96歳の時に初めて年齢を明かしたことが転機となって、「96歳の現役フォトジャーナリスト」として再び脚光を浴びるようになりました。
歳を隠していた理由は、
「もし実年齢を知られたら、ピントが合わないんじゃないか、手元がぶれるんじゃないか、と腕を疑われてしまうかもしれない。被写体にも心配をかけたくない。」という笹本さんのプロ意識からでした。
笹本さん曰く、日本人はすぐ歳を気にする。外国だったら歳を聞くのは失礼なくらいなのに。
だから、年齢を聞かれても、『歳はございません。ごめんなさい』なんてごまかしてしまうそうです。
でも、どこから見られても年齢を悟られないようにするのは、本当は大変なこと。
若作りよりも、いつも背筋をピンと伸ばして颯爽と歩くようにする。
年齢を言わないのは、ずっと現役でいるための自分との約束なのだと・・・。
100歳の幸福論。 ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣 笹本恒子著
おしゃれは頭でするものよ。お金じゃないのよ。
写真を見る限り、とても100歳を越えているとは思えないかんじ。
なにより、モデルでもないのにファッションセンスが素敵です。
コンセプトは、好きな服はずっと大切に着続ける。
ちょっと流行遅れになったり体格に合わなくなったら、自分で直したりする。
帽子やアクセサリーを合わせてコーディネートするのも楽しいし、アクセサリー選びは頭の体操。
高価な服を着ていることとセンスの良さはイコールじゃない。
『おしゃれは頭でするものよ。お金じゃないのよ!』と、笹本さん。
ファストファッションとブランドモノの間で揺れ動く私たちに楔を打ち込むような言葉ではありませんか!
103歳になってわかったこと
そして、お二人目は、現役最高齢アーティスト篠田桃紅さん。
いつも周囲や他人の評価を気にしがちな昨今、自分を貫き、自由で凛とした生き方を書いた本がベストセラーになっています。
一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い 篠田桃紅著
今年1月には、書の仕事を中心にした展覧会が開催されました。
篠田桃紅さんの書家としての原点は5歳で始めた書道。
1950年代は書家として活躍し、文字を書く仕事は大切な創作活動のひとつとして続けられてきました。
グラフィティのような、古代の象形文字でもあるような独特なスタイルで、墨で描く抽象画という独自の世界を確立した篠田桃紅さん。
自由に生きてこられた方だとは思いますが、この本の中には、篠田さんの説得力のある言葉が連なっています。
第一章 103歳になってわかったこと
第二章 何歳からでも始められる
第三章 自分の心のままに生きる
第四章 昔も今も生かされている といった章立てじたいも、50代の私たちが口にするよりもずっと真実味があります。
「私には死生観がありません。年をとるということは、創造して生きていくこと。
やっておきたいと思うことは、どんどんやる」などなど・・・・・、心に留めておきたい言葉ばかりです。
その中の幾つかをご紹介します。
「誰かがやったことを自分もするのは誰にでもできること。まだ誰もやってないときに やることが重要。それには大きな責任が伴い、それだけ自信を蓄えることができる」
「参考にできることは大いに参考にすべきだが、頼るのではなく、 自分の目で見て考えることを忘れてはならない」
「雑談や衝動買いのような無駄を無駄と思わないこと。無駄にこそ次の何かが兆している。」なんて、断捨離やミニマリズムが流行の今に刺さる言葉ではありませんか?
経済的に恵まれていた人だからこそ、自分の思うままに生きてこられたのだと思う方も多いと思いますが、では経済的に恵まれてなければ、このように生きられないのか?というと、それも違うと思います。
いかに自分軸の考えを持つことが大切なのか?
いかに、自分自身が作ってしまっている心の枠を外すことができるのか?
「女性だから」「もう歳だから」を理由にあきらめることは何もない。
厳しい男性社会の渦中で男性と対等に渡り合ってきたお二人。
お二人に限らず、生涯現役の100歳越えの女性はたくさんいらっしゃるように思います。
女性としての立場を守ると同時に、女性としての自分なりのスタイルを築きあげてきた方達。
「女性であること」を片時も忘れず、ファッションもライフスタイルも好奇心の赴くままに、100歳を越えても今なお人生を楽しみ続けている方達。
そんな100歳越えの婆さんに私もなりたいと思っています。